投稿日時 2014-01-06 12:29:57 投稿者 みなせまお このユーザのマイページへ お気に入りユーザ登録 |
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●契約書 人魚姫に脚をくれた魔女さん。もしほんとならお願いがあるの。 眩しい屋上から入ると階段は、薄暗く見えた。 「来ないね。聡子ちゃん行くか」 階段を降りて行くお兄ちゃん。 「まってー!」 慌てて二段飛ばしで駆け下りる。追いついたのは、10階と9階の間の踊り場だった。 頭から角を生やしたお兄ちゃん。 「ほんとだお兄ちゃん悪魔さんだ」 ちっとも怖く無いけれど。 「そうだよ。でもちょっとばかし、優しい悪魔さ。 なぁ香織ちゃん。さっき願いを叶える代わりに、悪い魔法を掛けたって言っただろ」 「うん」 「今、証拠を見せてやる」 そう言って背中のお姉ちゃんを下ろし、 「ブル。ワンピースを捲れ上げてパンツ丸見えにしろ。裾を口に咥えておけ」 「わん!」 「膝までパンツを脱げ」 お姉ちゃん本当にしちゃった。 「どうだ。ちゃんと俺の命令に従うだろ。もし、人前でお漏ししろと言ったら、このお姉ちゃん本当にしちゃうぞ。俺の命令には逆らえないんだ。しかも、喜んでするんだぞ」 おもちゃを自慢するようにお兄ちゃんは言う。 「それがお兄ちゃんの悪い魔法?」 「そうさ。でも、代わりにお子様ランチも食べれるし、遊園地で遊ぶお小遣いも貰える。この前の春までは、遊ぶ事も許されなくて、パパに虐められていた仔だったけど、春から優しいパパに大事に大事にされてる仔になったんだ」 カコを見つめる悪魔のお兄ちゃん。パンツを下ろしたままスカートの裾を口に咥えているお姉ちゃん。 「お兄ちゃん。どうしたらカコのママ、優しいママになるの」 「言っただろ、俺様は悪魔だと。俺と契約すれば、ちゃーんと優しいパパやママの所で、可愛がってもらえるぞ」 「カコ。ケーヤクする。だから、優しいママを頂戴」 すると悪魔のお兄さんは、 「香織ちゃんは、人魚姫のお話を覚えているかな?」 「うん」 「人間になる代わりに、人魚姫は何を上げちゃった?」 「声」 「よしよし。香織ちゃんは賢いな」 「声を上げれば、優しいママにしてくれるの?」 「そうだよ。香織ちゃんは優しいママの所に貰われて行くんだ」 「お兄ちゃん。貰われて行くって…」 「香織ちゃんはね。今のママには要らない子なんだ。だってほんとのママじゃないからね」 「ママ、ほんとのママじゃないの?」 「ほんとのママが、良い仔にしている香織ちゃんを、抓ったり叩いたりすると思うかい? 子供を虐めるママは、継母に決まってるよ」 「うん」 「でもね、香織ちゃんが可愛い優しいパパやママがいるんだ。そこへ行けば香織ちゃんは可愛がって貰えるよ」 「ほんと?」 「ほんとだとも。良い仔にしてたら抓られたり叩かれたりしないよ。おんぶや抱っこもしてくれる。それにね。香織ちゃんのテレビを用意して待ってるよ。ビスケットなら毎日。ガムだってチョコレートだってしょっちゅう貰えるし、パパのお休みの日にはショートケーキだって食べさせて貰えるよ」 (どうしよう? それってほんとのパパとママだ) 迷っているとお兄ちゃんが言った。 「実は、優しいパパやママの所に行く為のお約束がまだあるんだ。人魚姫の脚は、歩いたら滅茶苦茶痛かったよね」 「うん」 「そこでは香織ちゃんは、はだかんぼで暮らすんだ。立って歩くのも駄目だよ。もちろん声を貰うんだからお喋り禁止だ。だけど香織ちゃんを可愛がってくれる優しいパパとママだよ。それでいいなら魔法を掛けてあげる。嫌ならここでさよならだ」 「え?」 「でも継母は香織ちゃんを嫌っているから、もう直ぐ香織ちゃんを売り飛ばしちゃうよ。人攫いなんかをやってる悪者のところにね。香織ちゃんが、売られた先で虐められながらこき使われるのがいいなら、さよならしよう。でも、今魔法を掛けて貰ったら、最後には必ず優しいパパやママの所に貰われてゆく事になるんだ。香織ちゃんは虐められる方がいいかな? 可愛がってもらえるパパやママの方がいいかな?」 「悪魔さん。カコに魔法を掛けて。お喋りできなくてもいいし、はだかんぼの這い這いでもいい」 悪魔のお兄さんはにやりと笑い。一枚のお札をカコにくれた。 |
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